なんでもかんでもはむり

書きたいものだけ書く。音楽、映画、本がメイン。

今週の事々(2019_08_26〜09_01)

  • 東に向かう電車に乗りたかった

先日、終電で逆方向の電車に乗るという大失態を犯し、タクシーで友人宅まで行き、泊まらせてもらった。またも予定外の出費がかさんでしまった。普段使わない駅から乗ったとはいえ、別に前後不覚になるほど酔っていたわけでもないのに、こんなミスする?と自分にがっかりしてしまう。

大学の講義で習ったことというのは卒業から1年も経っていない今ですらもう殆ど覚えてないのだけれど、オーストラリアの先住民族が使うグーグ・イミディル語についてはなぜかよく覚えている。

ja.wikipedia.org

この言語では方向を示す際に「右」「左」といった話者の主観に基づいた指示の仕方はせず、常に東西南北を用いて指示する。「次の角を南に」というように。つまりグーグ・イミディル話者は常に、どんな場所にいたとしても東西南北を感覚的に認知しているということだ。

つまり彼らなら電車を乗り間違えるというミスは絶対にしないのだ。東に向かう電車に乗ればいいだけだ。羨ましい。

まあ、ちゃんと気をつけていればいいだけの話なのだけれど。

  • F2で死亡事故

F1に最も近い下位カテゴリであるF2のレース中に死亡事故が起こってしまった。亡くなったのはフランス生まれの22歳、アントワーヌ・ユベール。

F1の最後の死亡事故が2014年の日本GP。このジュール・ビアンキの死亡事故を受けて昨年からF1を始めとする多くのオープンホイールカテゴリで頭部保護装置・HALOが導入されたばかり。それでも安全性の追求にゴールはないということが最悪の形で露呈してしまった。

どれだけ万全を期しても、最悪の事態は起こってしまう。これからも起こるだろう。こういう事故が起こるたびに果たしてこのスポーツはこれからも続いていくべきなのだろうか、とふと思ってしまう。「命をかけて戦うスポーツなんだ」という美化なんかくそくらえだ。輝かしい未来が約束されている若者が命を落としてもいい理由なんて一つもないだろう。

↓今週触れた作品のリスト↓

<音楽>

Bill Evans『Symbiosis』(1974)
Bill Evans『You Must Believe in Spring』(1981)
THA BLUE HERB『SELL OUR SOUL』(2002)
Brad Mehldau『Largo』(2002)
BROCKHAMPTON『GINGER』(2019)
Cassandra Wilson『New Moon Daughter』(1996)
Cecil Taylor Unit『Dark to Themselves』(1977)
Chief Keef『The Leek, Vol. 8』(2019)
Clario『Immunity』(2019)
Common『Let Love』(2019)
Craig G『Now That's More Like It』(1991)
Diamond Shell『The Grand Imperial Diamond Shell』(1991)
Egberto Gismonti Group『Infância』(1991)
Equiknoxx『Eternal Children』(2019)
Friendly Fires『Inflorescent』(2019)
The Goats『Tricks of the Shade』(1992)
Grand Daddy I.U.『Smooth Assassin』(1990)
Jaco Pastorius『Word Of Mouth』(1981)
J.COLUMBUS『WAVES, SANDS & THE METROPOLIS』(2019)
Jr. Walker & The All Stars『Shotgun』(1965)
Juu & G. Jee『ニュー・ルークトゥン』(2019)
Kool Keith『KEITH』(2019)
KOWICHI『FFF - EP』(2019)
Martha and The Vandellas『Dance Party』(1965)
Mary Wells『Mary Wells Sings My Guy』(1964)
Meshell Ndegeocello『The Spirit Music Jamia: Dance of the Infidel』(2005)
Mewtant Homosapience『today to die』(2019)
Novelist『Reload King』(2019)
Ornette Coleman『Dancing in Your Head』(1977)
Renegades Of Jazz『Nevertheless』(2019)
Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012)
Roland Kirk『Volunteered Slavery』(1969)
Sean Paul『Dutty Rock』(2002)
Shanté『The Bitch Is Back』(1992)
she luv it『s/t - EP』(2019)

SOL Development『The Sol of Black Folk』(2019)

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オークランド出身、メンバー全員が教師というグループによるデビュー作。警官による人種差別などコンシャスなトピックにも切り込むヒップホップ〜ジャズ〜ソウルサウンドアメリカという社会で教師という立場で、子供を守っていくということは僕の想像が及ばないくらいに困難なことだと思う。そこでこういう表現を選んで発信していることがなんだかとても強く、美しく見える。

Ugly God『Bumps & Bruises』(2019)
vio moon『eden - EP』(2019)
ちゃんみな『Never Grow Up』(2019)
ザ・テンプターズ『ザ・テンプターズ ファースト・アルバム』(1968)
東郷清丸『Q曲』(2019)
平沢進『救済の技法』(1998)

93PUNX『93Punx』(2019)

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以下、このMVの説明文の拙訳。

「The 3 Years Sober」のビデオはアイデンティティに係る声明である。ヘイトの象徴を笑い飛ばせるように南部連合の旗を纏い、birth controlを巡ってマイク・ペンスと綱引きをする。みんなが俺に言うであろうことを先んじて顔に書いてもらった。そしてBBQベッキーで満員になったダイナーで、女性用トイレを使ったことによって通報される。ヒップホップ・カルチャーの中にはこれを見て「Vicはゲイだ」という人もいるということはわかっている(ゲイではないのだが)。でも、俺が白人だったら彼らはきっとこう言うだろう。「あいつはロックスターだ」と。93PUNXとは自分自身であること、他人の意見には中指を立てるということだ。- Vic Mensa

ちなみに「BBQベッキー」というのはオークランドの公園でBBQをしていたアフリカ系アメリカ人の家族を家族に通報し、見事ネット上で有名人になってしまった人だ。

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でもこんなすげーMVを作っておきながら、所々にホモフォビック/ミソジニックなリリックがあるのがとても残念。なんでそうなるの?

ポップ・パンクとのクロスオーバーはすごく個人的には好きだし、何なら流行ってほしい。Good Charlotte、RATMのトム・モレロが参加。

なんか最近こういうサウンドがアリよりのナシ/ナシよりのアリになってきてるので、ニューメタル/ラップロック・ベスト・ソング100とかやろうかな。暇だし。

『Produce X 101: 31 Boys 5 Concepts』(2019)

<映画>

新海誠『天気の子』(2019)

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こういう大ヒット作は作品の好みに関わらず、観ておいた方が後々楽しめるものが増えるという持論があるので見てきた。

omocoro.jp

このラジオ、上映時間とほぼ同じくらいの長さがあるのだけど、めちゃくちゃ面白かった。特に、

新海誠の非凡さは「止め絵」にこそあって、肝心な場面での「動き」を描くのは実は得意ではない (「エロゲのよう」と言われているのはそれが理由)
・ギャグが圧倒的につまらない
・あのあおり運転のカップルは実は新海誠的世界観と親和性が高い

という3点に共感。

あと、劇中で1、2を争うほどに印象的なあるセリフが最大のスポンサーのある商品のキャッチコピーであることも明かされていて、マジでクソくだらねえなと思った。

そういうところも含めて、非常に「平成臭い」映画だと思った。劇中で小栗旬演じる須賀が「クソ昭和臭い」みたいなことを言われるんだけど、それを上回るくらいの歪さでこの映画は平成の気持ち悪さみたいなものを露呈していると思う。年号を使わずにこの気持ち悪さを表現するならなんだろうか。「広告代理店臭い」とかだろうか。5年後10年後にもこういう映画が内容関係なく大ヒット!100億円!とか言ってたらおしまいだよ。

新海誠って何に興味があるのか、全く見えてこないのが怖かった。何にも興味がなさそうな人が何にも興味がない広告代理店とタッグを組んで作った作品を大勢がありがたがってるという、笑えない現状。