なんでもかんでもはむり

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ルイス・ハミルトンはF1界のポップ・スターである

2018年のF1世界選手権は先日のメキシコGPの結果により、あと2戦を残してイギリスのルイス・ハミルトンメルセデスAMG)がチャンピオンに輝いた。

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これは彼にとって5度目の戴冠(2008,2014,2015,2017,2018)となり、7度のワールドチャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハに次ぐ2位タイ(マヌエル・ファンジオと同率)の記録保持者となった。

確かに2014年のパワーユニット規定の変更後、メルセデスチームは一貫して強いマシンを作り続けていて、それが彼のチャンピオン獲得に大きく貢献していることは疑いの余地がない。しかし、チームメイトだったニコ・ロズベルグフェラーリセバスチャン・ベッテルとの対決の中で一貫した強さを発揮し(彼はポイントの取りこぼしが本当に少ない)、ここ5年で4度もタイトルをもぎ取っていることは驚嘆に値する。し、このまま行くと「破られることはないだろう」と言われてきたシューマッハの通算勝利数、あるいはタイトル獲得回数の記録を破ってしまうことすら大いに考えられる。

これだけでも彼の才能の稀有さがよくわかるというものだが、ここではそんな彼が放つ「存在感」について語ってみようと思う。いまのF1(あるいは他のレーシングカテゴリ)において、彼のような雰囲気をまとった人間はいないのではないだろうか。その魅力に迫りたい。

一言で言えば、彼は「スター」、スターの中でも「ポップ・スター」であるようにぼくには感ぜられるのだ。

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レーシングドライバーがスターであることはなかなか想像できないかもしれないが、2014年の映画『ラッシュ / プライドと友情』でクリス・ヘムズワースが演じたジェームズ・ハントを思い出していただければわかりやすい。派手なルックス、モデルとの交際、荒れた私生活・・・そこにあるのは古き良き時代のロックスターのようなパーソナリティである。

でもこれは70年代の話。まだまだF1、ひいては自動車レースというのが牧歌的だった時代であり、テクノロジーによる車の制御、自動車メーカーを始めとする大資本の参入、安全性を重視した技術規定などがこのような人間をレースから追い出してしまう前の話である。

ハント以降のF1は(アイルトン・セナのような傑出した存在はいたものの)、アラン・プロスト(あだ名は「プロフェッサー」)、ミハエル・シューマッハセバスチャン・ベッテルなど、「勤勉さ」「精密さ」を特徴とするドライバーが活躍し、「実力勝負」の様相を呈していった。この事自体は素晴らしいことだしスポーツとしては健全だとは思うが、このような性質によってF1というスポーツが人間性の希薄なものになっていたように感じられる(もちろん、だからこそアクシデントや接近戦によって「垣間見える」人間性により輝きが増しているのである)。

・・・さて、前置きが長くなってしまったが、ここでいよいよルイス・ハミルトンの登場である。

1985年にイギリス・ハートフォードシャーで生まれた彼は、アフリカ系イギリス人の父とイングランド人の母を持つハーフであり、黒人としては初のF1ドライバーである。このことはあまり重要視されていないような気がするのだが、極めて西欧中心的なF1というコミュニティにおいてかなり衝撃的な出来事であったように思う。

ちなみにバスケ、アメフトに続いて自動車レースが人気である自動車大国アメリカでも、レーシングドライバーに黒人はほぼいない(女性ドライバーは一定数いるのに)。 やはり始めるにあたって経済的ハードルが高いというのもあって、未だに「白人文化」の色が強い。

ハミルトンはそのような出自でありながら、しかも名門・マクラーレンから華々しくデビュー、翌年には当時最年少である23歳でチャンピオンを獲得。

こんなセンセーショナルな存在であることの代償か、彼はしばしばメディアの批判の的となった。一度だけ厳しめのペナルティの裁定に対し「僕が黒人だからじゃない?」という発言をし物議をかもしたこともある。

  • スターと浮き名を流す

そんな彼は私生活がものすごく派手だ。公道でタイヤを空転させて罰金を食らったりなんて事もあったが、華やかなのは女性関係。元・Pussycat Dollsのニコール・ジャーシンガーは元フィアンセでよくレースの現場にも来ていたし、その後もリアーナとの交際が報道されたりしていたが、つい最近のニュースではなんとニッキー・ミナージュとの交際が噂されている。

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しかも彼自身音楽活動にも参加していて、カニエ・ウェスト(祝・開眼)からアドバイスを貰ったことも。この記事ではレース当日の朝3時まで曲作りに励んでいたと書かれている。まじか。

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今年発表されたクリスティーナ・アギレラのアルバム『Liberation』の中の一曲、「Pipe」にもXNDAという名義で参加するなど、なかなか精力的。

そんな交友関係を持つ彼のインスタグラムは、もちろんながらかなりイケてます。

 
 
 
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タトゥーもクールだし、今年は一時期編み込みのヘアスタイルも試していて、まあ行ってしまえばめちゃくちゃハンサム。 

しかも今回のタイトル獲得に際しチームのピットから無線が飛んだのだが、その声の主はなんとウィル・スミス。

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なんだかいろいろ並べ立ててしまったけども、彼がレーシングドライバーとしてだけではなく、かなりセレブリティ的な「イケてる感じ」を持っていることがわかっていただけただろうか。

  •  何よりもファンが大好き

F1ドライバーは良くも悪くも運転ギークみたいなところがあって、レース後のインタビューとかでもすぐにマシンやタイヤ、戦略について語り始めたりするのだが彼はどこに行っても「ここのファンがベストだよ」みたいなリップサービスを忘れない(もちろん本気で言ってるのかもしれないんだけど)。

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最近の彼は勝ちすぎてアンチが多く、表彰台ではブーンイングを受けることも少なくない。それでもこういう姿勢を貫いているのはスポーツ選手と言うよりはやっぱりポップスターというか、エンターテイナーとしての自覚がそうさせているように思う。

  • 最後に

ここまでかなりランダムに、そして大雑把に彼の「スター性」のようなものについて書いてきたが、やはりそれがいまの時代のF1にピタリとマッチしているように見える。

F1というスポーツの運営はかなり最近まで旧態依然な体制だったのが、2016年にアメリカのリバティ・メディアがそれを買収してからYouTubeでの動画配信が始まったり、TwitterInstagramなどのSNSを駆使した情報発信がなされるようになった(もっと早くやるべきだったのは間違いない)。そんな時代において、#Hammertime(ハミルトンが追い上げるタイミングを示すハッシュタグ)に顕著なように彼の言動、ドライビングはSNSに「映える」。まさに時代が生んだスターだと言える。

これからもF1の人気を牽引していってほしいものです。