なんでもかんでもはむり

書きたいものだけ書く。音楽、映画、本がメイン。

今週の事々(2018/10/01~07)

乃木坂46の1期生の卒業発表がとまらない。西野七瀬に続いて今週は若月佑美、そして能條愛未の卒業が発表された。

バナナマンはぼくが『乃木坂工事中』を見始める直接のきっかけになったわけだけど、そこから本格的にこのグループを好きになっていくきっかけになったのが能條だったので、非常に寂しい。

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あまり非公式の動画は貼りたくないんだけど、この能條は何度見てもかわいい。

まあ今回卒業を発表している3人はそれぞれ卒業後も芸能界に残るということで、ありがたや。

にしても乃木坂って、本名ということもあってか能條、川後、新内など珍しい名字が多いなあ。川後という名字は日本に80人ほどしかいないらしい。

myoji-yurai.net

  • 何度目だ、「日本語ラップ vs ジャパニーズ・ヒップホップ」論争

(全て敬称略。さらに時系列の解釈も間違っているかもしれませんのでご容赦ください)

大人気ベストセラーとなった『文化系のためのヒップホップ入門』の第2弾が先週出版されたのだが、その際にK DUB SHINEが下記のようにツイート。

さらに、金曜日に行われたダースレイダー×吉田雅史×さわやかによる「フリースタイル・人称・コミュニティ」と題されたトークショー(フリースタイルバトルシーンの歴史とヒップホップコミュニティーのあり方とは、みたいな内容だったらしい。恥ずかしながら未見)に関連してこーじー氏(@kozzy_jeff)がこのようにツイートしたところ

K DUB SHINEが「だから日本語ラップになっちゃったんだろ」と反論(盟友Zeebraも「つうかそれはお前の視点な。」と反応)。ここから「日本語ラップ / ジャパニーズ・ヒップホップ」みたいなお決まりの流れが始まった模様。

「全く何回目だよ」という雰囲気もありながら、そこから2日が経過した日曜日現在も色んな人がいろんな事を言っている。誰かTogetterにまとめてほしいなあ。

ぼく個人としては、たしかに「ヒップホップ的なマインド」というものに対してかっこいいなという思いはあるものの、そのことと音楽としてのクオリティには相関性がないと思っている。さらに言うとやっぱり今一番面白いのはこれまでの「ヒップホップ・コミュニティ」とは完全に断絶された場所から生まれてくる音楽たちで、「べき論」だけでは硬直化してしまうと思う。

ただし、MCバトルシーン(とそのブームによる影響)に限って言うと確かにK DUB SHINEがいうようにヒップホップの上っ面だけ頂いたようなフェイクが増えているのも事実。

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でもそういった手合はやっぱりそのうちシーンの自浄作用によってきれいに洗い流されていくと思うし、あまり気にしないほうがいいかもしれない。でもだからこそ声を上げ続けることには意味があるんだけど。もちろん、プレイヤーたちは作品でお願いします。

↓最後に今週触れた作品のリスト↓

<音楽>

Analogfish『Still Life』(2018)

Barry Harris『At The Jazz Workshop』(1960)

Battles『Mirrored』(2007)

Black Moon『Enta Da Stage』(1993)

BROCKHAMPTON『iridescence』(2018)

Bud Powell『The Amazing Bud Powell, Vol. 1』(1951)

Cypress Hill『Elephants on Acid』(2018)

FEBB『So Sophisticated Ver2.0』(2018)

Innumerable Forms『Punishment In Flesh』(2018)

Intelligent Hoodlum『Intelligent Hoodlum』(1990)

The Isley Brothers『Brother, Brother, Brother』(1972)

Joey Purp『Quarterthing』(2018)

John Raymond & Real Feels『Joy Ride』(2016)

Lenny Kravitz『Raise Vibration』(2018)

Lil Wayne『Tha Carter V』(2018)

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リリースが常に延期され続けていたアルバムがついにリリース。Geniusの「For The Record」内でIvy Rivera氏が語っていた、「このアルバムはLil Wayneがいかに以降のシーンに影響を与えてきたのかということの証明。Wayneが他のラッパー達みたいに聞こえるんじゃなくて、他のラッパーたちがWayneみたいなことをしているんだ」というコメントがこのアルバムを端的に言い表していると思う。ここ10年位のラップのサウス化というのは『文化系のためのヒップホップ入門』シリーズでも語られていたことだけど、まさにそういうこと。正直1時間以上、20曲以上というボリュームはしんどいけど、「Best Rapper Alive」と堂々と名乗るだけのスキルはまだまだある。

Logic『YSVI』(2018)

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今年の3月にリリースしたミックステープ『Bobby Tarantino 2』ではトラップ系のビートを中心だったのが、このアルバムではブーン・バップサウンドに回帰。「どっちのビートでもヤバイぜ」的なことをリリックで言っていたけど、まさにそのとおり。ラップのスキルは間違いない。ただ歌詞の内容が「いかに自分が優れたラッパーか」「いかに自分が成り上がったか」というものばかりで、深みはあまり感じられないのが残念。

でも聴き流す分にはラップのスキルも相まっていいアルバム。特にWu-Tang Clanの全メンバー(故・Ol’ Dirty Bastardを除く)が参加した「Wu-Tang Forever」、ブーンバップよりもさらにさかのぼってヒップホップ黎明期のパーティー・チューンの雰囲気をリバイバルさせた「100 Miles and Running」の2曲が白眉。

それにしても、ラップのスキルの高さ・メッセージの薄さ・それでいてポリティカルな面への目配せが(過剰なほどに)あるという点ですごくSKY-HIが重なって見える。

Low『Double Negative』(2018)

Miles Davis『Birth of the Cool』(1957)

Mystikal『Let's Get Ready』(2000)

Neu!Neu!』(1972)

Okada Takuro『The Beach EP』(2018)

Phum Viphurit『Manchild』(2017)

RHYMESTER『EGOTOPIA』(1995)

Sly & The Family Stone『Stand!』(1969)

Tempalay『なんて素晴らしき世界』(2018)

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『cult grass stars』(1996)

A Tribe Called Quest『The Low End Theory』(1991)

英心 & the meditationalies『過疎地の出来事』(2018)

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秋田の僧侶(!)率いるレゲエ・バンドの2枚目。とにかく東北方言を活かした「Oi Bamba!」が素晴らしいということに尽きる。中南米で生まれた音楽が日本の「過疎地」で花開いているという現実に興奮を禁じ得ない。日本人が聴いても最初は日本語に聞こえないこと間違いなし。しかも歌われていることは「あいつは田んぼに行ったんだろう」ということだけというのも最高。これぞ大衆音楽。他の曲は標準語で歌われているので安心してください。

きのこ帝国『タイム・ラプス』(2018)

きゃりーぱみゅぱみゅ『じゃぱみゅ』(2018)

食品まつり a.k.a. foodman『ARU OTOKO NO DENSETSU』(2018)

ソウル・フラワー・ユニオンWINDS FAIRGROUND』(1999)

高橋真梨子『トライアード』(1984)

『幻の”モカンボ・セッション” '57』(1954)

<映画>

デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)

<書籍>

日本SF作家クラブ編『日本SF短編50 III 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー』(2013)

 このところ1月に1冊くらいのペースでゆっくり読み進めているシリーズの第3弾。特に面白かったのが森岡浩之「夢の樹が接げたなら」(1992)。人工言語を巡る1篇なのだが、サピア=ウォーフの仮説(我々の現実世界の認知方法は言語によって規定されているとする説。今となってはいささか古い)を理解するのには手っ取り早い読み物だと思った。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』(2016)もそうだったけど、やはり言語学系SFではこういう使い方が王道なのかも。他には中井紀夫「見果てぬ風」、草上仁「ゆっくりと南へ」、谷甲州「星殺し」の3篇がいずれも途方もない長さの時間を取り扱った短編で、そのトラベル感がたまらなかった。

ジョーダン・ファーガソン(吉田雅史・訳)『J・ディラと《ドーナツ》のビート革命』(2018)

J・ディラと《ドーナツ》のビート革命

J・ディラと《ドーナツ》のビート革命

 

 J・ディラバイオグラフィーとしても読めるし、クラブミュージックの中のデトロイトの位置を紐解くのにも良いテキストだし、ヒップホップにおけるビートメイクの大まかな歴史を知るのにもよいし、もちろん『Donuts』の批評としてもめちゃくちゃ面白い。