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AKLO「FUEGO feat. ZORN」、ZORNのバース分析

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「A to Zツアー」で全国を回ることが発表されているAKLOZORNが、昨日の夜コラボ曲「FUEGO」を発表。

"FUEGO"とはスペイン語で「火」の意。両者ともバース内では自身を火に例えたセルフボーストをこれでもかという程に畳みかけている。

俺のLiveに行けば日サロに行くよりも焼ける
SexyなLadies 知ってるみたいでやたら薄着だぜ
いつも俺が居ればSummer遠慮なし皆Turn Up
東京オリンピックむしろ俺を運べRunners

AKLOのバースのシメの4小節なんかは素晴らしい。

もちろんAKLOのバースもこの通りリリックはもちろんライムやフロウも一級品なんだけど、やはり言うべきかZORNのバースは韻の連打がすごい。ということでEminemに続いて2度目のライムスキーム分析。

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このバースを分析していて驚いたのは、5文字(5音節)以上の韻を繰り返し踏んでいることはもちろん、それを次のスキームに持ち越すということをかなり意識してやっている点。

画像の中の黒い直線は4節ごとの区切りなのだが、第1区画のピンクの塊が第2区画のところに出てきたり、第2区画の黄色い塊が第3区画に出てきたりと、非常にテクニカル。一聴しただけだと「ケツできれいに踏んでるな」ということしかわからないんだけど、じっくり読むとそういうことをやってたりする。

そしてZORNはバースの入りで持っていく力がすごい。「ないところ」「台所」「火事の元」「(小)さい炎も」で踏んでいるだけじゃなくて、「マッチ一本」と「あん時の」でも踏んでるから3行目4行目はほぼ12文字完全韻を構成してる。

あとすごいカジュアルなんだけどかっこいいのが「来る」「クール」「フーフー」・・・と続くところは小節をまたぐ形ではっきり発音されてるからグルーヴィー。

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後半はまたまた長めの韻が目立つものの、1~3文字の短い韻がその間を縫うようにして踏まれていることに気づく。

第3区画は「生卵」と「変わっちゃうかも」という少々怪しげな韻でありながらも、3連のフロウの中に「a」の音を効果的に入れることで推進力を保っている。

それはシメの第4区画でも同じことで、「(地球温暖)化の主原因」「(今)夜のステージ」だけかと思いきや緑色の下線で示した「ao」の韻が細かく入っている。口に出してラップしてみるとよくわかるんだけど、これがあるのとないのとでは耳障りが大きく異なっていたはず。最後まで抜かりない。

 

リリックの内容的にも、「火事の元」「119」「地球温暖化」「環境省から呼び出し」という火や熱さに関したワードがポンポン入っていて想像力が掻き立てられる。やっぱりZORN、とてつもない才能の持ち主である。